道具選びのポイント

焼入鋼を旋削加工できる刃先交換チップの選び方

 

 焼入鋼は被削材の硬度が高く、大変削りにくいです。鋼加工用のコーティンクチップで焼入鋼を削ると、刃先が早く摩耗してしまい、寿命が短くなります。焼入鋼は硬度に幅があり、HRCスケールで50 ~ 62ぐらいの被削材が多く、この数値が大きいほど硬くて削りにくいです。
焼入鋼におすすめはスミボロンです。スミボロンはcBN (立方晶窒化ホウ素) を使用した工具で超硬合全とは異なり、超高圧高温下で焼結された工具材料です。

 

 ✔ スミボロンの刃先交換チップの種類

 

 スミボロンの刃先 2交換チップは用途に合わせてラインナップしてます。長寿命で安定して加工できる「コーテッドスミボロンシリーズ」。
高速で高精度で加工する時に最適です。BNC2010と BNC2020は是非試してください。。コーテッドスミボロンはマルチコーナータイプで3角形のチップの場合、表面に3コーナー、裏面に3コーナー合わせて6コーナーの刃先が使えるアイテムもあります。
焼入鋼を高速で加工できない場合は「ノンコートスミボロン」がおすすめです。BNIOOOはSKD材の焼入鋼、BN2000はSCM材の焼入鋼で性能を発揮します。価格は「ノンコ-トスミボロン」のほうが安価です。加工する被削材や加工条件、加工する量に合わせて、使い分けるのもいいです。

 

 ✔ 安価な超硬コーティングチップで焼入鋼を削る。

 

 超硬コーティングチップで焼入鋼を削れるチップがあります。高硬度加工用コーティング材種「AC503U」は硬度の高い超硬母材にスーバーZXコートを施したチップ材種で金型部品などの焼入鋼(SKDI 1・SKD61・SKH51 )を低速(Vc =20 ~ 50m )で粗加工する時に最適です。GHプレーカは焼入鋼の粗加工に最適です。切込量 ap= 3.Ommで加工でき、全型部品の焼き入れ後の歪み取りにも便利です。